
高い声を出そうとすると喉が締まる…



自分の声がこもって聞こえる…
そんな悩みを抱えていませんか?
響きのある通る声は、持って生まれた才能ではなく、正しいトレーニングで誰でも手に入ります。
その鍵を握るのが「口腔共鳴(くうこうきょうめい)」と「正しい母音の発音」。



これらの技術を身に付ければ、数段レベルアップするよ!
この記事では、楽譜も読めなかった私が10校以上の音楽教室で学んだ経験から、プロのような響く声を作るための具体的で実践的なボイストレーニング方法を徹底解説します。
この記事でわかること
- なぜ声が響かないのか?喉締め発声のメカニズム
- 響きを増幅させる口腔共鳴の具体的な作り方
- 歌が劇的に変わる5つの母音別トレーニング法
- 歌詞に感情を乗せるための母音応用テクニック


・20代まで楽譜も読めず音楽経験なし
・30歳から音楽教室で習い始める
・10校以上の音楽教室で学ぶ
・現在は歌唱, 演奏, 作詞作曲を一人で行う
【響く声の土台】口腔共鳴を理解しよう


響く声を手に入れるためには、まず自分の体がどのようにして声を出しているのか、その仕組みを理解しましょう。
特に「口腔共鳴」は、声の響きを決定づける最も重要な要素の一つ。
ここでは、喉締め発声から脱却し、あなたの声を最大限に響かせるための土台作りについて、3つのステップで詳しく解説します。
口腔共鳴(くうこうきょうめい)とは?


口腔共鳴とは、声帯で作られた元の音(原音)を、口の中の空間(口腔)で響かせて増幅させる仕組みのことです。
私たちの体には、いわば「天然のスピーカー」が備わっていると考えてください。
このスピーカーの性能を最大限に引き出すことで、マイク乗りが良く、遠くまで通る豊かな声が生まれるでしょう。
具体的には、あくびをする時のように喉の奥にある「軟口蓋(なんこうがい)」という柔らかい部分を引き上げ、口の中にドーム状の空間を作ることがポイントです。
この空間が広いほど、声は豊かに響きます。



口の中のスペースを意図的に広げる意識が、響きある発声をする第一歩!
最初は感覚を掴むのが難しいかもしれませんが、鏡を見ながら舌の付け根を下げ、喉の奥を開く練習を繰り返すことで、無意識に共鳴腔を確保できます。
なぜ声が響かないの?


多くの人が無意識のうちに行ってしまっている「喉締め発声」。
これは文字通り、歌うときに喉周りの筋肉が過剰に緊張し、声の通り道を狭めてしまう状態を指します。
特に高音を出そうとするときに、力任せに声を出そうとして起こりがちです。
この状態では、声帯に大きな負担がかかるだけでなく、声が細く硬い音色になったり、すぐに声が枯れてしまったりと、多くのデメリットしかありません。
原因は、間違った呼吸法や、響かせる場所の意識ができていないことにあります。
まずは「楽に声を出す」という意識を持つことが重要です。



喉の力を抜くだけで、驚くほど声の通りが良くなりますよ。
喉締め発声を改善するには、まず自分が力んでいることに気づき、その力を抜く練習から始めましょう。
次に、喉の力を抜く練習方法を解説します。
今すぐできる軟口蓋トレーニング3選
- あくびの真似
- 短く息を吐く
- ストローを使う
口腔共鳴の鍵となる軟口蓋(なんこうがい)を引き上げる感覚は、日常生活ではあまり意識しないため、最初は戸惑うかもしれません。
しかし、簡単なトレーニングを続けることで、誰でもコントロールできます。
上記のトレーニング方法で、口腔共鳴を身につけましょう。
あくびの真似


まず、鏡の前で思い切りあくびをしてみてください。
このとき、喉の奥がぐっと引き上がり、冷たい空気が通る感覚があれば、軟口蓋が上がっている状態です。
この感覚を意識づけて、次のトレーニングに進みましょう。
短く息を吐く


二つ目は、驚いた時のように「はっ!」と短く息を吐く練習。
これも喉の奥が一瞬開く感覚を掴むのに役立ちます。
あくびの真似と合わせて、三つ目のトレーニングを行いましょう。
ストローを使う


三つ目は、ストローを使ったトレーニングです。
ストローを口にくわえ、息を吐きながら声を出すと、空気の通り道が限定されるため、自然と鼻や口の奥に響きが集まる感覚を養えます。



最初は難しいですが、毎日続けることで無意識にできます。
これらのトレーニングを毎日5分でも続けることで、歌うときに自然と共鳴スペースを確保できるようになり、声の響きが劇的に改善されるでしょう。
また、ストローを使うことで大きな声が出にくくなるため、夜間や自室でトレーニングをしやすいです。
どこでもできる練習方法なので、自分がトレーニングを習慣付けしやすい場所・時間で行ってください。
5つの母音別発声トレーニング
| 母音 | 理想的な口の形 | 舌の位置 | 響かせるポイント | 注意点 |
| ア | 縦に大きく開く(指2〜3本分)。顎の力を抜いてリラックス。 | 力まず、下の歯の裏あたりに自然に置く。 | 口の中の一番高いところ(硬口蓋)の中心あたり。明るく開放的に。 | 舌の付け根が盛り上がって、喉の奥を塞いでしまわないように注意。 |
| イ | 横に広げすぎず、口角を少し上げる(自然な笑顔の形)。 | 舌先を下の歯の裏に軽くつけ、舌の中央が口の天井に近づく。 | 声を顔の前面に集める意識。鼻腔や前歯の裏あたりに響かせる。 | 口を真横に強く「イー」と引きすぎると、喉が締まってキンキン声になる。 |
| ウ | 唇を軽くすぼめて前に突き出す。口の中には広い空間を保つ。 | 舌に力を入れず、喉の奥の空間を広く保つことを意識する。 | 深みと丸みのある響き。お腹から息に乗せて遠くに飛ばすイメージ。 | 唇をすぼめすぎたり、息の支えが弱いと、口の中で音がこもってしまう。 |
| エ | 自然な笑顔の形で、口角を少し上げる。「イ」よりは少し広く開く。 | 舌先を下の歯の裏につけ、「イ」よりも少し舌の位置を下げる。 | 声を前に集める意識。明るさと鋭さを持った響きを作る。 | 「イ」と同様、口を横に広げすぎて喉締め発声にならないよう注意する。 |
| オ | 「ア」の縦開きから少し唇をすぼめる。卵を縦にくわえるイメージ。 | 唇の形だけでなく、喉の奥の空間も広く保つように意識する。 | 深みと丸みのある響き。包み込むような温かい音色を目指す。 | 声がこもる場合は、口先の形だけでなく、息の支えが十分か確認する。 |
口腔共鳴の仕組みを理解したら、次はその共鳴腔を使って実際に声を響かせる練習に移りましょう。
歌の基本となるのは、日本語の5つの母音「ア・イ・ウ・エ・オ」。
それぞれの母音には、響かせるのに最適な口の形や舌の位置が存在します。
この母音を正しく、そして安定して発音できるようになることが、滑らかで表現力豊かな歌唱に直結します。
ここでは、それぞれ母音の特性と、その響きを最大限に引き出す具体的なトレーニング法を紹介します。
【「ア」の母音(解放感)】喉の開きを最大化する


「ア」は、5つの母音の中で最も口が大きく開き、喉の奥も解放されやすい音です。
そのため、喉を開く感覚を掴むための基本トレーニングとして非常に有効です。
正しい「ア」の発音では、指が縦に2本〜3本入るくらい、顎をリラックスさせて口を縦に開きます。
このとき、舌は力まずに下の歯の裏あたりに自然に置きましょう。
舌の付け根が盛り上がって喉を塞がないよう注意してください。
響かせるポイントは、口の中の一番高い硬口蓋(こうこうがい)の中心あたりを狙うイメージです。



口の形だけでなく、頬骨が上がる感覚も大切にしましょう。
この感覚があると、声が前に出て明るい響きになります。
最初は「ハッ」と息を多めに混ぜながら発声し、徐々に声帯を閉じていく練習をすると、喉に負担をかけずにクリアな「ア」の響きを見つけやすいでしょう。
この解放感のある「ア」をマスターすることが、全ての母音の基礎となります。
【「イ」と「エ」の母音(明るさ・鋭い響き)】声を前に飛ばす


「イ」と「エ」は、声を前に集めやすく、明るく鋭い響きを作るのに適した母音です。
しかし、多くの人が口を横に引きすぎてしまい、喉が締まってキンキンした声になりがちです。
正しい発音のポイントは、口角を少し上げる程度にとどめ、口を横に広げすぎないこと。
舌の位置は、「イ」では舌の中央あたりが硬口蓋に近づき、「エ」は「イ」よりも少し舌が下がります。



このとき、舌先は下の歯の裏に軽くつけておくと安定するよ。
この感覚を掴むために、鼻歌(ハミング)で「ンーーーミーーー」と繋げる練習が効果的です。
鼻に響きを集めた状態から、そのまま口を開いて「イ」や「エ」に移行することで、声が前に飛んでいく感覚を養えるでしょう。
ネイネイエクササイズ※のように、「ネ」という子音を使って発声練習するのも、鼻腔共鳴を意識しやすくするためにおすすめです。
※ネイネイエクササイズ
ミックスボイス・低音~高音域まで出せるようになる練習方法。
- ドレミファソファミレドに合わせて「ネイネイネイネイ」と歌う。
- 音階を半音階ずつ上げて歌う。
【「ウ」と「オ」の母音(深み・丸み)】口に十分な空間を保つ


「ウ」と「オ」は、声に深みや丸み、暖かみを加える母音です。
しかし、唇をすぼめ過ぎたり、響きが口の中でこもりやすいという難点もあります。
正しい発音のコツは、唇を軽く前に突き出しながらも、口の中には十分な空間を保つこと。
卵を縦にくわえているようなイメージを持つと良いでしょう。
「ウ」は唇を最もすぼめますが、喉の奥は広く保つ意識が重要です。
「オ」は「ア」の縦開きの口から、少し唇をすぼめた形です。



唇の形だけでなく、喉の奥の空間も意識すると深みが出るよ。
これらの母音がこもってしまう場合は、息の支えが足りていない可能性があります。
お腹からしっかりと息を送り込み、その息に乗せて声を遠くに飛ばすイメージで練習しましょう。
ハミングから「ンーーームーーー」や「ンーーーモーーー」と繋げる練習は、響きを前に集める感覚を養うのに役立ちます。
この二つの母音を使いこなせると、歌の表現力が格段に向上するでしょう。
歌詞に活かすための母音読み応用テクニック3選
- レガート唱法
- 音色のコントロール
- 母音修正
これまで学んだ口腔共鳴と母音の正しい発音は、単独で練習するだけでは不十分です。
最終的な目標は、実際の楽曲の歌詞の中で、これらのテクニックを自在に使いこなすこと。
そのため、子音が入ることで崩れがちな母音の形をキープしたり、曲の雰囲気に合わせて母音の響きをコントロールしたりと、より高度なスキルが必要です。
ここでは、あなたの歌を一段階上のレベルに引き上げるための、実践的な応用テクニックを3つ厳選してご紹介します。
①歌詞の母音を繋げる「レガート唱法」


レガートとは、音と音を滑らかに繋げて演奏(歌唱)する技術のこと。
歌においてレガートを実践するには、歌詞の「母音」を意識することが極めて重要になります。
例えば「ありがとう」という歌詞を歌う際、「あ・り・が・と・う」と一音ずつ区切るのではなく、「あーいーあーおーうー」という母音の流れを意識し、その上に子音を軽く乗せるイメージで歌います。
子音は母音を発音するためのきっかけに過ぎず、響きを生み出しているのはあくまで母音であるということを理解しましょう。



この練習でブツ切れにならずに歌えるよ。
具体的な練習方法としては、まず好きな曲の歌詞の母音だけを抜き出して、その母音だけでメロディを歌ってみるのがおすすめです。
最初はゆっくりとしたテンポのバラードなどから始めると良いでしょう。
このトレーニングを繰り返すことで、一語一語が途切れることなく、流れるようなプロの歌唱に近づけます。
②曲の表現力を高める「音色のコントロール」


母音はそれぞれ固有の響きを持っていますが、さらにその音色を意図的にコントロールすることで、歌の表現力は飛躍的に向上します。
例えば、同じ「ア」という母音でも、口を縦に大きく開けば明るく開放的な「ア」に、少し「オ」寄りの響きを混ぜれば、暖かく深みのある「ア」になります。
明るく楽しい曲では「イ」や「エ」に近い、前に抜けるような響きの母音を多めに使い、しっとりとしたバラードでは「ウ」や「オ」に近い、柔らかく包み込むような響きを意識すると、歌詞の世界観をより深く表現できます。



歌詞の世界観に合わせて母音の響きを変えてみましょう。
このテクニックを磨くには、まず様々なジャンルのプロの歌手が、どのように母音の音色を使い分けているかを注意深く聴くことが大切です。
そして、その響きを真似して、自分の声で再現する練習を繰り返します。
自分の歌を録音して客観的に聴き比べながら、理想の音色を探求することが上達への近道です。
③母音の形を変化させる「母音修正」


高音域になると声がひっくり返ったり、喉が締まったりする大きな原因の一つに、地声と同じ感覚のままの母音で発声することが挙げられます。
実は、高音域を楽に響かせるためには、母音の形を意図的に変化させる「母音修正」というテクニックが非常に有効!
具体的には、高音にいくにつれて、口の開きが広い母音(アなど)は、少し狭い母音(オなど)に近づけていきます。
例えば、高音の「愛してる」の「ア」は、地声の「ア」のまま歌うのではなく、少し「オ」に近い響きで歌うと喉の負担が減り、スムーズに発声できるでしょう。
同様に、「イ」は「エ」寄りに、「エ」は少し「イ」寄りに修正すると、響きのポイントが安定します。



ミックスボイス習得にも繋がる、非常に重要なテクニック!
これは、ミックスボイスを習得する上でも欠かせない考え方であり、多くのプロ歌手が自然に行っている技術です。
まずは自分の出しやすい音域で、母音を少しずつ変化させる練習から始めてみましょう。
【まとめ】響く歌声は1日にしてならず!


この記事で解説した練習方法は、プロのような響く歌声を作るための核になります。
ただし、どんなトレーニングも継続しなければ意味がありません。
最後のまとめとして、毎日の練習方法と、継続してトレーニングを行うコツを紹介します。
トレーニング方法のまとめ
- 響く声の土台となる口腔共鳴
- 歌の骨格を作る母音5つの発声方法
- 歌詞で活かす母音読みテクニック
今回、この記事で紹介したテクニックは、大きく分けて上記の3つです。
特に、喉の力を抜き、軟口蓋を引き上げて口の中に空間を作る意識は、全ての基本となり
ます。
まずは鏡の前で1日5分、あくびをするように喉を開く練習や、それぞれの母音の口の形を確認する習慣をつけることから始めてみてください。
一気に全てを完璧にしようとせず、一つ一つの感覚をじっくりと自分のものにしていくことが大切です。
ボイトレを継続するための秘訣


独学でのトレーニングは、時に間違った方向に進んだり、モチベーションの維持が難しいこともあるでしょう。
もし練習に行き詰まりを感じたら、一度プロのトレーナーに見てもらうことを強くおすすめします。



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